二 段 Y.U.
二〇〇八年の一年間は今まで以上に皆さんに教えることも多く、よく言われる「人に教えることにより自分も勉強になる」ということについては非常にチャンスの多い一年間であった気がします。
特につい忘れがちな「基本」の部分については何度も思い出しながら稽古をすることができたと思います。
しかし、まだまだ未熟なこともあり、皆さんに満足のいく指導はできていなかったと思います。この場を借りてお詫び申し上げます。
さて本題に戻りますが、今までにないほど、皆さんと共に稽古をさせて頂きましたが、とても印象に残っていることがあります。
まず、道場という世界では、様々な人がいるということですが、稽古中は誰に対しても「礼に始まり、礼に終わる」という点では現代社会という世の中にはないものが当たり前に存在しているということです。
そして、様々な個性がぶつかり合うわけですが、そこに「年齢」「性別」といった、いわゆる「差別」というものは存在しません。
このように、様々な人が一つの道を真剣に進む姿というのは、光り輝くものであると思います。ここで言う、光り輝くとは、人を蹴落としてまで上に昇ることではなく、一つ一つ確実に積み重ねて前進していくことです。この一年間はこの輝きを痛感しました。
では、今後の自分自身について述べさせて頂きます。今までは基本に忠実という方針で進めてきたつもりでしたが、まだまだ未熟ですので、基本から外れないように反省し、さらに視野を広げていきたいと思います。以前僕は皆さんの前で基本について意見を述べさせて頂きました。個人的な意見ではありますが「自分を守る。→自分の刀で自分を斬らない」「敵を倒す。」の二点です。今後もこの二点に忠実にいきたいと思います。
問題は視野を広げることです。視野を広げるといっても様々です。土台となる基本からは離れられません。本末転倒です。当然ですが、これは容易ではないと思います
しかし、僕には、個性溢れる先生方がいらっしゃり、残して下さった「足跡」もたくさんあります。感謝の気持ちはもちろんですが、このような「足跡」をたどりながら、皆さんと共に稽古に励み、道場内に少しでも光を与えることができたらと思います。