還暦と天眞正自源流


剣士初段S.K.

天眞正自源流を始めた動機は、一年半前の四月一日に、還暦を迎えて、サイクリング自転車でさまよって三ヶ月目に入った、七月二十一日の暑苦しい午後であった。

 Tシャツ姿の居合刀を持った若い人が、歩いているのに偶然出あったことから、一歩が始まった。

 春日部武道館に入って、初めて目にしたものが「抜刀・納刀」の風景でありました。

 その時、自分の求めていたものに出会えた喜びの一瞬であった。四十年間の職業を通して、人生を普通に平凡に送ってきた自分でも、「なんだこんな坂」時には、「泣きながら、笑いながら」「ぶつぶつ文句」を言いながら誠実・根性・気迫をもって、子供のため、妻のためと理由をつけて上り坂・下り坂を乗り越えて、還暦という「峠」に登りつめてきました。

 そんな人生の起点に自源流と出会えました。

 残りの人生を楽しく、希望を持って送れることは、何事にも変えがたい人生である。一年がたち、毎日が自源流の生活です。

「抜刀・納刀」を繰り返して、練習を重ねて、何とか、身体が動くようになりました。

 「稽古」を繰り返していると越えられない、何かがあることに気がつきました。「一日の長」「一ヶ月の長」「一年の長」越すに越えられない、風格の壁をつくづく知らされました。

 そうは言っても、自分は自分でしかないので、これからも「抜刀・納刀」を繰り返して、自分流の風格を身につけて、自源流の道を極ある努力を重ねたい。