この一年とその想い


師範代四段T.Y

早いもので去年末に同じように源武の原稿を書いてから一年がたった。

この一年の間に息子の誕生と師範代への昇段と大きな出来事が2つもあった。両方とも嬉しく思うと同時に非常に重たいものが両肩に乗っている事を最近特に感じる。
今までは主に自分の事を考えていればよかったが、家庭や道場全体という周囲の環境に重きを置かなければならないとようやく自覚してきている。

薄情なようだか今までは自分の為、自分の技量を上げる事だけを考えていればそれが上達への道と考えていた。

それも間違いではないかもしれないが、勝負というものは一人でする物ではなく他人との間に成り立っている。

私自身に言える事だからあえて書くが、自分の動き(例えば斬る、受ける)にのみ心とらわれている者同士が袋竹刀で勝負すると見苦しいだけである。

この事を考えると自分ではなく周囲に重きを置かなければならない自分の状況は上達に大事な事を教えてくれているように感じる。

このような恵まれた環境に自分が置かれている事を宗家、最高師範はもちろんの事、自源流の先輩方、後輩の皆様、私の家族に心から感謝し、御礼申し上げます。